昨年から「ミニサイト作りワークショップ」を何度か主催している。
「テーマ絞ったミニサイトをひとつ作り上げたい」という有志参加者を募り、それぞれ企画を練り、発表し、互いにアドバイスをしたり情報交換をしながら、一定期間内にひとつのミニサイトを完成させるというものだ。

期間は約一ヶ月半程度で、途中一度リアルなセミナー/勉強会を開催する以外は、Skypeを使ったオンラインチャットが主舞台。
私自身もそのひとりだが、興味あるテーマでサイトを作ってみたい!と構想抱きつつ、着手タイミングを失っていたり、忙しくて集中作業する時間がとれないという人は多い。
そんなメンバーが集まってのワークショップに参加することで、
- 期間内に完成させるという目標設定ができる
- グイグイ作り込んでゆく他の参加者に刺激を受ける
- 他の参加者からのアドバイスや情報、『そのテーマ、面白いよ!』という期待の言葉が励みに
という効果もあり、プレッシャー感じずつ、作品を作り上げてゆく達成感を共有できている。
ところで何故「ミニサイト」?
どの程度のサイトが「ミニ」なのかは人によって異なるし、これをあえて定義することには意味がない。ただ主催者として、ミニサイト作りワークショップ参加者間で共通していきたい「目指すミニサイト像」というものはある。
- テーマを明確にかつ絞ったサイト
- 自分ならではのオリジナルコンテンツ
- ニッチでもいいので誰かにとって役立つ/価値ある内容
それでは何故「ミニサイト」に自分は注力しているのか。
「個人サイトといえばブログ」な時代ではあるが、最初に計画・構成をかっちり練ってのサイト作りは、いわゆるブログとはまた違った楽しさ・価値がある(ブログも定義いろいろだけど、ここではMovableTypeなどをCMS的に使って制作したサイトはブログと切り離して考えている)。
ブログのいい面は、最初にざっくりテーマだけ決めておけば、後は書きたいことを日々自由に書き重ねていくことで、半年後・1年後・5年後に、結構なボリュームのコンテンツができあがる点だ。最初から計画だって構成や項目を考えなくても、こつこつ地道な積み重ねがいつか価値あるコンテンツを創り出してゆく。
一方その緩さと時系列構造ゆえ、ひとつひとつの記事が埋没しがちでもある。
日記的な記事も、時間経過によって価値が落ちるニュース的なものも、はたまた数年後も困っている人の役に立つであろうHOWTOものも、ごちゃっと混じり合ってポリバケツに突っ込まれた状態。初めて訪れた人が、そこから自分にとって必要な情報を探し出すのは結構大変だったりもする。
そんなブログから必要な記事を抜き出して再編集し、まとまりあるミニサイトを作ることで、過去の記事をもう一度活用することができる。もちろん、最初から「ミニサイト」として新規に作るでもいい。
コンパクトに情報をまとめたミニサイトは、必要な情報を効率的に取得できる点で、ユーザにとっても利便性が高い。
もしくは「こんな目的・ニーズを抱えた人をターゲットとしたミニサイトを作ろう」と、最初から読み手ニーズをしっかり想定して内容や構成やトップページデザインなどを作り込んでいくという点で、ブログとはまた違った情報発信スキルを磨く訓練になり、結果として誕生した「テーマ絞られて、読み手ニーズをしっかり踏まえたコンパクトなミニサイト」は、雑多な内容が同居するブログより、検索上位に登場しやすくなる可能性がある。
「完成形」がある程度見通せるミニサイトを作ること自体の楽しさもある。
ビジネスサイトでも個人サイトでも「作るのが楽しい人」「運営してゆくことに醍醐味を感じる人」の2タイプに分かれるが、ミニサイト作りワークショップでは「作る過程」に重点を置いている。
サイト名を決めたり、どんなスタイルで何を使って作るか考えたり、サイトデザインで悩んだりと、初期制作過程には要検討項目がいっぱい。それをひとつひとつ知恵絞りアイディア出し合いながら決めて作り込んでゆくのは「制作プロセス好き」にとっては実にわくわくする作業だ。
「ミニ」とつくことで、あまり身構えず、気軽に作れるという要素も大きい。
平凡で専門家でもない自分達にとって、何かの情報サイトをひとつ作ってネットに公開するというのは結構ハードルの高いことでもある。「専門知識ないし・・・」「自分よりもっと詳しい人いっぱいいるから」と躊躇しがちだ。でもそんな一般人である自分達の持っているそこそこの体験や情報でも誰かの役に立つし、同じニーズや悩みを抱えている人にとっては、プロが発信する情報よりもむしろ親しみやすく理解しやすいことだってある。
それほど規模が大きなものを作ろうとするのでなければ、自分に興味あるテーマで、いくつものミニサイトを作ることも可能だ。私自身、昨年一年で複数のミニサイトを作ったが、それぞれ非常に愛着がある自分の分身のような存在となっている。
ミニサイトを作ることで、作り手自身が体系だった知識を得たり、また考えや方向性がまとまるということもあるだろう。ミニマムなだけに、伝える内容も絞られてくる。要約作業によって理解が深まることは多いが、ミニサイト作りも同じようなものかもしれない。「情報は、発信する人の元に集まってくる」とよく言われるが、実際にいくつかの個人サイトを運営して実感するのは、「結局何より自分のためになっている」ということだ。
アフィリエイトとミニサイト
仕事でもアフィリエイトに関わっており、個人的にも多数のサイトでアフィリエイト導入している自分。その両方の立場からもやはり「ミニサイト」が面白い。この場合「ミニサイト」と対比するものとしては、いわゆる日記的に書き重ねてゆく「ブログ」があげられる。またアフィリエイトサイトでありがちな、検索からの集客と広告主企業サイトへの送客だけに機能特化した、ぺらいちLP的なものも増えている。
個人でアフィリエイトというと、初心者はまずブログで商品紹介の日記を書く。
自分が買った物や欲しいものなどをいろいろ自由に綴ってゆくスタイルで、誰でも始められる。ただ「誰でも成果をあげられる」わけではないのがアフィリエイトの厳しい現実だ。
良質な記事を積み上げブログ読者を増やしてゆくのも大事だが、もし目的が「アフィリエイトで収益あげること」ならば、ニーズを抱えた新規ユーザが検索経由でピンポイントに訪れてくれる、テーマ絞り込んだサイト作りのほうがはるかに近道だ。
ぺらいちLP的アフィリエイトサイトは、有料のテンプレート販売も活発に行われているため多テーマにわたって増殖中だ。一般ユーザからは疎ましく思われがちな中身のないサイト群でもある。不正リスティング広告をめぐる攻防が広告主企業との間で繰り広げられることもあるが、実際にアフィリエイトで高い成果をだしている人も多いため、一部ASPや広告主企業はむしろ厚遇していたりも。まあいろいろ微妙な問題もあるが、これについてはまた別の機会に。
アフィリエイト導入企業やASPにとっても、テーマ特化したミニサイト作りを啓蒙し後押ししてゆくことには意味がある。
企業が提携アフィリエイトに期待するのは、単に「売上アップ」ということだけでない。
- 実際に購入した人の体験ベースの口コミを増やすこと
- 企業サイトでは手が回らない細やかな情報発信でニッチニーズを拾ってくれること
「アフィリエイトサイト=商品を紹介してくれる人達」としか認識していない企業担当者もまだ多く、「商品レビューを書いてほしい」「バナーを貼って」としつこかったりもするのだが、自社商品の紹介ばかりに囚われるのではなく、良質な情報サイトを作ってゆく支援・きっかけ提供という育成部分での活動も、今後のアフィリエイト運用担当ミッションとして考えてほしいところ。
商品モニター企画を連発するのもいいが、何かテーマを設定しての「ミニサイト作りコンテスト」など主催し、提携アフィリエイトサイトのコンテンツ作りモチベーションを高めてゆくという方法もあるだろう。
「ブログで地道にレビュー書いてても全然成果あがらない」と、初心者までが不正・迷惑行為に走りがちなアフィリエイト業界の健全化にもつながるはずだ。
+++
・・・と、またまた長くなってしまったので、一旦ここで終わりにするが、現在も第三回ミニサイト作りワークショップが進行しており、今年はこの後、3回のワークショップの開催を予定している。
個人サイト運営者はもちろんのこと、企業のWEB担当者も参加OKなので、興味ある人は是非。
たかがミニサイト、されどミニサイト。ひとつの作品を企画し作り上げる過程で、サイト制作・運営に必要なスキルの見直し・強化も図れるはずだ。